2005年03月11日

小説「終戦のローレライ」と映画「ローレライ」part3

 私の「CLIE」は赤い。
 二年ほど前にヤフオクで購入したのだが、つい最近まで放置プレイを楽しんでいた。というより購入したことさえ忘れていた。
 ほんの一月前である。押入れの中に積み重なった「貴重なガラクタ」を整理していると、こいつがヒョッコリ顔を出した。うーん、もったいない。どうにか活用できないか?
 「飽きっぽい凝り性」を自認する私は、早速ネットでPalmOSの情報を検索し、本を買い込み、有用と思われるソフトをダウンロードしまくり、ついには真っ赤に塗装してしまった。無論、塗装は素人なので少々あらも目立つが、遠目には完全な「俺CLIE(非売品)」である。うん、ちょっと満足。
 で、ここで「飽きっぽい凝り性」の私は冷静に結論を下す。
 手帳はやっぱり「紙」が便利。

 やっと映画「ローレライ」のショックから立ち直りつつある。
 前回はあまりのショックに批評を放棄してしまった。申し訳ない。しかし、自腹であんなものを見に行き、しかもそれが「興行収入40億円間違いなし!」などというのでは、冷静な判断などできたものではない。まさに恐るるべきはメディアの力。ホリエモンよ、貴様が手にするには、この力は大きすぎる・・・。

 本日福井晴敏氏と樋口真嗣氏の対談集「ローレライ浮上」を購入。かような映画に1300円(前売り券買いました)を投入し、なにゆえ更にこのような本を買わねばならんのか?「批判する対象にこそ、真摯な態度でのぞみたい。」からであり、あまりにクオリティの違う小説版と映画版の謎を解くためにも必要だったのだ。だって、気になるでしょ?同じプロットから出発したはずなのに、なんで一方だけ完成度が高いのか。

 映画「ローレライ」の最大の急所は制作費と脚本であろう。
 なにも制作費の大半を費やしたCGに文句を言うつもりはない。ハリウッド大作並みのCGは、はなから期待していなかった。CG最大の難関「水」を描きだすには予算が足りないのは明白であり、それにしては頑張った。いや、賞賛すべきである。

 問題は「せめて前・後編くらいに分けて、丁寧にかいて欲しかった。」ということなのだ。

 これほどエピソードてんこ盛りの物語が、2時間で収まるはずないではないか。それを無理やり押し込めたものだから、演技にも戦闘シーンにも抑揚の無い、ノッペリとした作品になってしまう。「潜水艦映画にハズレなし」というのは、密室や戦闘シーンなど、緊迫感が描きやすく、緩急の「緩」にだけ頭をひねれば、そこそこ面白い物語が成立するからだと思う。

 ところが「ローレライ」は緩も急も時間に追われて中途半端。盛り上がらないことこの上ない。やはり前後編に分けるだけの制作費は確保して欲しかった。ひとつの作品を前後編に分けることことへの抵抗もあろうが、少なくとも「キル・ビル」よりは面白くなったはずである。

 更に言うなら、当初脚本は「劇団☆新感線」の中島かずき氏が担当していたそうだ。プロットには忠実だが、表現が舞台的で3時間半の大作になってしまう第一稿。「もっと自由に」といわれて、おもいっきり「マンガ」になってしまった第二稿。それらを修正した第三稿までいったのだが、中島氏が他の仕事に行ってしまいタイムアウトとなったそうだ。うーん、是非見たかったなぁ、中島版「ローレライ」。3時間半の第一稿を加筆修正して前後編に分けたほうが、はるかによかったような気がする。

 脚本については「いくら比較的自由な気質の潜水艦乗りであっても、帝国海軍軍人たるもの、そこまでくだけた立振舞いは無かろう」という時代考証の甘さが目立った。
 明石屋さんま氏から「軍人を演じるために生まれてきた男」と賞賛された我らがギバちゃんには期待していたのだが、あの少年のような「ギバちゃんスマイル」で軍人度急降下。規律正しく心優しい軍人を演じる技量があるだけに、残念だ。

 その他、清水(佐藤隆太)へのあまりに惨い扱い。絹見艦長(役所広司)、浅倉大佐(堤真一)の小説とはかけ離れた性格描写などなど、脚本へのツッコミには事欠かない。

 樋口監督はハリウッドに勝てる映画を作ったらしい。少なくとも本人はそう自負している。だがハリウッド映画もピンキリだ。監督がどのあたりを想定して強気な言動をとるのかはわからない。(どうも「パール・ハーバー」らしいのだが・・・)
 しかしこの予算と脚本で、本気で勝負できると思っているのだろうか?

 予算か脚本。どちらか一方だけでもマトモだったら・・・。そう思うとこの映画は残念でならない。


 やっと元気が出てきたので、私の感想が気に入らなければ批判していただいて結構だ。
 ただし、掲示板などでよく見かける「そんなに貶すんだったら、お前もっと面白い映画撮れるんだろうな!」などという至極頭の悪い批判はやめていただきたい。バカ丸出しの上、そんなバカと同時代に生きていることが悲しくなる。少々過激な物言いで申し訳ないが、できる限り正当な批判をお待ちしている。


 映画と小説を両方見て、疑問を持った方は
 ローレライ、浮上

 低予算でも面白い映画が見たいという方は
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posted by 中華屋 at 21:59| Comment(1) | TrackBack(3) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私はハリウッド映画も原作も見ていないので
そこそここの映画楽しませてもらいました。
原作読んで又見てみますね・・・。
Posted by たこ焼 at 2005年03月12日 12:19
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ローレライ
Excerpt: 祖国を守るため、彼女を守るしかなかった…これは本当に終戦60周年の作品なのだろうか…。映画を単なる娯楽として消費する物なら、これが海外の作品だったなら「まあ、こんなものか」という程度の作品ではあります..
Weblog: PICO*THEATRE
Tracked: 2005-03-12 14:10

六本木ヒルズでローレライ〜。
Excerpt: 今日(3/7)は、 久々に映画を鑑賞してきました。 前から気になっていた「ローレライ」です。 フジテレビと東宝がタッグを組んで 制作した映画でです。 ストーリーは結構難しいです。 でも、何..
Weblog: マサ’ズ ウェブサイト
Tracked: 2005-03-12 16:53

ローレライ関連のトラックバックセンター
Excerpt: 福井晴敏原作、樋口真嗣監督の映画ローレライに関連するトラックバック ローレライ(ろーれらい) 2005年3月5日東宝邦画系劇場公開 監督:樋口真嗣 製作:亀山千広 原作:福井晴敏..
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Tracked: 2005-03-13 13:04
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