いや、当然といえば当然であり、忘れていた私が悪いのだが(秘境に出張中で思い出すどころではなかったのだが)、延滞一日につき500元という設定金額はいかがなものか?ちなみに忘れていたのは20日間であった。無論、私の月給より多い金額だ。
さて、これは参った。参ったが仕方ない。
「忘れた私が悪いんです。素直に払いますよー。」という話を同僚にしたところ、こいつが会社の経理部長にチクリやがった。
まぁ、本人は「会社の出張が原因なら(いや、それは言い訳なのだが・・・)会社が払うべきである。」というハタ迷惑な論理と義憤とおせっかいで報告したらしい。
案の定、部長に呼びつけられる。
いつもは温厚なおばちゃま(部長)が眉間にしわを寄せている。
中国人であれば、ここでひるむことなく、断固会社に請求するのであるが、私はごく平均的な日本人である。自らの非を認め、自腹で清算する旨、経理部長に告げた。
「見よ、中国人!これが日本男児の潔さ!ブシドーである!」
などと心の中で多少マト外れな大見得を(自存完結ではあるが)切ったわけだ。
いつも温厚な(でも怒ってた)おばちゃまの表情が緩んだ。
いや待て、違う。ニヤニヤしている。
ヤバイ!中国人がこういう表情で何か考えているときは要注意である。
「大丈夫。心配ないよ。そんなに払う必要ないから。」
キター!
日本人には理解不能な発言。
お役所から請求されている罰金を値切る気だ。
やめてくれ。私は日本人だ。不正行為に巻き込まないでくれ。
などと考えているそばから彼女は電話をかけまくる。
「はい。これでよし。明日一緒に役所に行きましょう。」
受話器を置いた彼女が満面の笑みをたたえて言った。
関係(グァンシ)である。
中国人特有の「友達の友達はみな友達」型問題処理法。いわゆるコネだ。
どうやら彼女の友達のダンナの友達が関連部署の上のほうにいるらしい。
「冗談言っちゃいけませんぜ!あっしはお天道様の下を大手振って歩いてきた人間でさぁ。お上が払えってもんは堂々と払ってやるのが筋ってもんでやんす!」
と、正義感を振りかざす私。
しかし、自らの親切心を台無しにされたくない彼女は
「ここは中国。中国流に、それもごく一般的な方法で問題を解決して何が悪い。利用できるものは利用する。利用し、利用されるのが普通なんだ。」
てなことを、延々と説教。
私は・・・、負けた。折れた。日本人であることをやめた。
翌日、ドンヨリとした天候。ドンヨリとした気分。
いつも温厚な(そしてお節介な)おばちゃまとビザ発給所へ足を運ぶ。
前回私に「罰金なんだから、どんなに高くても払え!」とまくしたてた窓口の女性は、チョー不機嫌であった。
恐らく上から一方的に命令されたのであろう。
「仕方なく不正行為を許すんだからね!」
と散々文句を言われた。
そして、最終的に請求された金額は、当初の3分の1であった。
「大体1日500元なんて、絶対おかしいわよ。役人は腐ってるわ!」
おばちゃま。腐っているのはあなたも同じである。
そして、その腐ったドブに片足を突っ込んだのは私だ。
いやはや、ビザは大切である。
まかり間違うと、私のように日本人の尊厳を・なう結果となるので、くれぐれもご注意願いたい。
最後になったが、今回は以前ご紹介した「中華的生活「多少銭?」」の記事「それは小3算数です」へのタダ乗り企画である。
本当はあちらにコメントを書くつもりであったが、長くなりすぎた。ゆえに「らん女史」に迷惑かと思い、こちらに書かせていただいた。
らんさん。勝手なことしてゴメンナサイ。
さて、やっと映画の話題である。
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